雲界迷宮街の片隅遊戯迷宮

VOCALOID(作品の制作エピソードなど)やゲーム・日記中心のブログ

CLANNADと無条件幸福と「君にサヨナラ」

VOCALOIDオリジナル曲制作秘話

これは、私が音楽制作集団「G-Fac.」に参加して制作した初の共作。
テーマは「別れ」



このブログを書いた時点ではまだメンバーには話していないが、私はこれを最初で最後の作品とすることに決めた。

この作品では「G-Fac.」過去4作とは違い、クリップを私が制作した。
これは、私の希望で行われたものだ。
リーダーにはいろいろ気を使ってもらったし、私はあまりにも多くのワガママを頼み込んだ。
メンバーの方々には本当に心から感謝している。
では、何故これを最初で最後の作品とすることに決めたのか?

全ては、私のあまりの未熟さにあったのだ。
今まで、私は趣味という意味で「デザエモン」というゲームの作曲ツールをいじり始めてそして作曲に特化した作業を別のソフトでやるようになり、そしてPCでDTMを始めて今日まで来た。
実に、音楽を作るということをこれまで18年に渡ってしてきた。
ボーカロイドの登場で歌も作れるようになって、そしてネットで同じ事をする仲間が集まって、ピアプロに参加して、音楽制作集団への参加のオファーを受けて、私は制作をして18年で始めて人と一緒に1つの作品を作るというコラボに参加した。
私にとっては、新しい試みだった。だからとてもワクワクしていた。
並べられた歌詞の数々、しかし本当にやってみたいものを必死で探したが現実はやってみようと思ったものは無かった。
何作品かピックアップしてそして1つ1つに音楽を考えながら打ち込んでみた。
そして、結局最終的に決まったのがこの「君にサヨナラ」という別れの歌である。

最初、歌詞を読んでいて本当のことをいうとあまりいい気がしなかった。
確かに切なさを感じさせるが、最初私は「ただ単にこれまでの思い出を黒歴史化して抹殺してしまおう」ってものに感じていた、この詞はG-Fac.に参加して最初に見た歌詞だった。そして、この詞だけはやめておこうと思っていた。
でも結局、いろいろ見てきて私はこの詞に自分の曲をつけようと決めた。
そして、私はこの詞を見て重点が一人の女性に置かれていると感じた。
だから、私はこれを「別れの歌」としては珍しいアップテンポのダンスビート風ソングで命を吹き込むことを決めた。もともと、ダンス系音楽は自分の一番好きなジャンルだったし、昔この手をメインレポートリーとしていたアーティストの大ファンだったし(過去のエントリーでそのアーティストが何だったかは説明済み)。
この曲でも、私は過去の作品である「真夏のHappy New Year」「Quick Shot!」「Starting Faraway」と同様にSynth1とSC-D70とループとボーカロイドという豪華な組み合わせで制作した。
この歌詞はサビの部分がとても分かりやすかった。だから、このサビの部分に曲をつけるだけで曲の初めの部分が応用できるしその点はとても助かった。
だから、一部歌詞によるメロディの変更や発音のトラブルに少々てこずったものの曲は案外早く出来上がった。最終的にミックスで何度も作り直すハメになった。

そして、完成してクリップの素材を待つだけになりその間に別の曲を作っていた。
その間も、この「君にサヨナラ」を自分のポータブルに落として何度も聴いていた。
我ながらよくここまでやれたんだなと、そして何度も繰り返し聴いていた。
別れの歌がこれほどまでにダンスナンバーに溶け込んでリズミカルに響き渡っている、そしての歌詞の世界観である「切なさ」を損なうことなくスピーディーでスタイリッシュに展開している。

クリップの制作を始めたのはそれからかなり後のことだった。
そして、今作では自分のではなく親の使っているノートPCを拝借してそれで制作した。
というのも、自分が使っているのはWindows XP ノートPCはWindows Vistaだった。
このVistaのWindowsムービーメーカーを初めて触ったとき意外にも使いやすさが目立った。
さらに、HD画質で出力する機能を備えておりさらにはXbox360に最適化する仕様まで備えていた。
流石はマイクロソフトさんだなって思った。360ユーザーとしても嬉しかった。
実際、作ったクリップをUSBメモリーにコピーしてXbox360に接続して流していた。
テレビで作ったクリップ見てとても綺麗だなあと思っていた。

今作では、Vista仕様だけあって初めて回転機能やワープといった特殊な視覚効果も使えた。
回転やズーム機能をガンガン使いまくった。
これじゃ、ナムコのシステムⅡじゃないかwってね。

今回は、タイトルの表示方法も結構力を入れた。
かにもあったようにタイトルの奥にもう1つの世界が存在しているって風だった。

そして、クリップが完成した。
しかし、ここまではよかったが私はそこで触れてはいけないものに触れてしまった。
私は既にこのシナリオに干渉しようとしてしたのだ。
そして、このシナリオを改変しようとしていたのだ。
それが私の弱さであり未熟さであり、私がコラボレーションの一員としてやっていく資格が無いことの証だった。
だから、私はこれを最後にまた自分で世界観を描くことに専念することを決めた理由である。

私には、人の描く世界を裏方となって忠実に表現していくだけの力なんて無かったのだ。

少し前、深夜にBS-iでCLANNADアフターストーリーを見ていた。
クリップの制作の途中だった。
そこでやっていたのは、第16話「白い闇」。
主人公の朋也とヒロインの渚、二人はその時夫婦となっていて渚は汐という子供を身ごもっていた。
そして、その汐を出産しようとした。
本来病院でする予定だったのに、天候が大雪で交通機関が麻痺し、自宅出産を余儀なくされた。
しかも、渚は体が弱く出産に耐えられるだけの耐える力は無かった。
陣痛と発熱に苦しむ渚とそれを必死に支える朋也、そして汐が生まれた。
しかし、それがなにを意味したかは言うまでもなかった。
既に、私はこのアニメの東映アニメーション制作による劇場版を見ていたから。
そのシーンを見ていた私はもう完全に我を失っていたのだ。
慟哭を繰り返していた、「渚を助けて、渚を殺さないで…」
ヘタをしたら近所迷惑どころか、グランドセフトオートの手配度6になりかねなかったほどだった。
たかがテレビ番組に干渉しようなんて、他の人が見たら笑われるのは分かっていることなのに。
こんな恥すぎるシャドーボクシングを自分で自制させることさえ出来なかったのだ。

そして、番組が終わったら寝ないでクリップ制作を続行した。
そして、それは私のやるべき仕事から逸脱し始めていたのだ。
映画やRPGのネタバレか、または「神作レイプ」という俗称で呼ばれる行為を。
私は、この「君にサヨナラ」のシナリオを勝手に改変しようとしていたのだ。
原作者に対する明らかな冒涜である。

全ては私の未熟さ、そして弱さと甘さにある。
それが、コラボをやめることを決めた理由である。
誰かが書いたシナリオを忠実に表現して伝えるという仕事では、自身の余計な感情は捨てなければいけないのだ。それが私にはできなかった。チームプレイが最も重要な仕事に対する職場放棄と言っても過言ではない。
西部警察で、団長の大門刑事が部下らに「我々に大事なものはチームワークだ、個人プレーは絶対に許さんぞ」とよく言っていた、あれを人生を教えてくれた言葉と受け止めた人は少なくないだろうし、そこに私がいたら絶対殴られまくっていただろう。

だから、全ては私のせいでありメンバーには大変な迷惑をかけてしまったと思う。
ここから先は逸脱した行為について追記にて語ろう思う。
そして、その作品を公開するつもりである。この逸脱したバージョンは既に原作者にも見せているからである。そして、そのために最大限の配慮をするつもりである。
ここからは、そのタブーとなった非公式版について話をする。
今回は、埋め込みを不可とし、リンクという形でさせてもらった。

君にサヨナラ(非公式版)

今まで、私が制作してきたボーカロイドの曲とクリップには共通点がある。
それは、その1つ1つが強烈なアイデンティティを持っているということだ。
それは、言い方を変えれば己の構築したシナリオや世界観でなければ何1つ意味を成せないということの表れでもある。
私は、自分の作品ではないのに自分のアイデンティティをこの作品に与えようとしていた。
結局物語の理解する形は十人十色だということだろう。
完全に制作者の意図とそれを享受する観客で異なった印象をもってしまうという一種の捻じ曲がった伝わり方といっていいだろう。

何故、私が思い出を「消す」のではなく「封印する」という言葉を使ったのか?
それは、人間に記憶を消すことは不可能だからだ。
自分が必死に忘れたいことほど消えにくく執拗に付きまとってくる。
何らかの仕事や作業や任務遂行などをひたすら夢中でやる、度が過ぎるほどまでにやる、それはとにかく忘れたいから、しかし忘れたいという執念は結局それが故に忘れられない。
記憶を消すことが出来るのはあの世の神様だけである。
ジョン・ウー監督でベン・アフレックとユマ・サーマン競演のアクション映画「ペイチェック」に出てくる記憶を消す装置を使えば例外的に出来るのかもしれないが。

例えば、ドラえもんに「わすれとんかち」というエピソードがある。
これでドラえもんが記憶について解説している。
記憶をするということは、机の中に物を仕舞うということである。忘れるということは机の中の物がなくなるのではなく、引き出しが開かなくなることだと言っている。
思い出を封印するという表現を使ったのはそのせいである。
そして、その封印は彼女が死んで初めて解かれる、そしてそれまでのことを清算するという意味である。


この非公式版についてはもうこれ以上語ることは無い。
ただ、そうまでして私が介入してまで作りたかった物語があったことで私は実感した。
結局、人のシナリオに携わってそれを表現することは、それ故に私には所詮不可能であるということを。
何故なら、私にもそういう考えがあるからであってそれは消すことは出来なかったということだ。
増して、恋愛の世界は強く尖ったアイデンティティに満ちた世界、1つでもずれたら全身全霊を込めた愛を持って接することが全身全霊目の仇にされてしまい、スクールデイズ最終話のような結末になることだってあるのだ。誰もがそんな世界を人生の絶対的な必修科目として泳いでいる間に私はその世界から隔離されたワープ空間を歩んでいたのだから「愛」の本音など理解できるわけが無い。

だから、せめてこの作品だけでもそれをこらえて完成させたら、また自分でシナリオや世界観を構築して表現するいつもの自分に戻ろうと思ったわけである。

最後に、G-Fac.のメンバー方々には心からお礼を言いたい。
新しい経験をさせてくれたこと、曲を聴いて励ましてくれたこと、気持ちを受け止めあえたことを。

あの最後の3行を借りて

もうここで語らうのも最後です
一緒に作りあうのも最後です
暖かかった皆に笑顔でにサヨナラ・・・
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夢永美朱

Author:夢永美朱
趣味は映画・音楽鑑賞(制作)とテレビゲームです。
ニコニコ動画で「夜色P」というP名を命名して頂きました。
宜しくです。

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