雲界迷宮街の片隅遊戯迷宮

VOCALOID(作品の制作エピソードなど)やゲーム・日記中心のブログ

「ラストソングは永遠に」、そのラストソングは私の愛した歌への敬愛を込めた代名詞

VOCALOIDオリジナル曲制作秘話




別の歌に対してリスペクトやオマージュ的な作品、このような形の作品はDTM初期に一度したくらいでそれ以来かもしれない。
何の曲のことかは話さないが感づいている人もいるかもしれない。

それから、この作品は他にもヒントになったメディア作品が2つがある。
この作品では輪廻という要素が入っているがその動機なったのは、つい最近まで放映されていたアニメ「それでも町は廻っている」の最終話だった。
主人公の女子高生である歩鳥が突然の事故で命を落とし天界へと登って行った、天界のゲームセンターから下界を見下ろした歩鳥はそれまで親しかった友達の姿を見て恋しくなって泣いていた。

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その時、私は「死」というものがそれまでに出会ったものや得たものと別れる時、それがどんなものか自分なりに感じていた。
それが、自分が出会った素晴らしい歌、しかしもうそれを聴くことが出来なくなる、そして忘れてしまう、それがあまりにも辛く感じてしまったからだ。
それ町では歩鳥は奇跡的に下界に戻ることができたが、それが考えさせられたというのは間違いない。
そこから輪廻という題材を扱おうと思った。
そして、それを介して愛した歌を己から手放したくないという強い意志と絶対に逆らえない神々の掟を組み合わせた格好だ。
もう1つは、サイモン・ウェルズ監督の「タイムマシン」(ガイ・ピアース主演)という映画。
大学教授のアレクサンダーは、強盗よって殺された恋人を過去にさかのぼって救うためにタイムマシンを開発したが過去へと遡っても救えなかった、そんな彼がその手掛かりを探すため未来へと時間を移動しつづけるが、時間移動を続けているうちに眠ってしまっていた彼が再び目を覚ました時、そこは68万年後の世界、そこには文明はもうなかったというもので、ここに未来は進化するだけではなくその存在の終わりもある、進めばかならず進化するという考えに対する1つの牽制的な考え方なのだろうと思うが間違いではないと思う。

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基本的に、この曲は私がいつもやっている歌詞が物語を語るシナリオ朗読型の曲で、今回は輪廻と時間という2つの要素を絡めながらその女性が愛した歌との出会いと別れを描く、その過程で様々な要素を絡めている、そんな曲である。

では、その背景となる物語を詳細に記してみる。
22歳の女性の流歌は電子機器や機材で埋まったプライベートルームで音楽を聴いていた。
聴いている歌は彼女にとっての一番のお気に入りだった。
それは彼女の生きる理由そのものでかつ愛に生きる理由でもあった。
そんな彼女は予想もしない事故に巻き込まれた。
彼女の家に一台のダンプカーが突っ込んだ。
家屋は破壊され、その車体は彼女の部屋をも破壊し、その崩壊に巻き込まれるように彼女は命を落とした。
自分の体が徐々に天へと昇っていくのに気付いた彼女はその下で無残な姿になった自分の体を目の当たりにした。
数日後、流歌の親族や友人らによる葬儀が行われた。
棺には、彼女の遺体と彼女が愛したあの歌の入ったUSBメモリーが納められた。
天に昇っていく彼女はそれを手に持っていた。
天界では下界から物を持ち込むことは天界の掟で禁じられていた。
天界で流歌はこのメモリを持ち込ませて欲しいと必死で懇願した。
神々に対して何度も何度も頭を下げて涙を流しながら懇願した。
天界の神は、次に転生するまでという条件つきでメモリーの持ち込みを許した。
同時に、天界の神は時の神に彼女の相談役を託けた。
流歌にとってとてもそれは心強い味方を得たようなものだった。

それから時は流れて、流歌の魂は再び下界へと戻ることになった。
そして下界へ戻る前に必ず誰もが施されることがある。
それが、記憶の消去である。
神に懇願までして守り抜いた大切な歌の記憶ともとうとう別れの時が来たのである。
こればかりは流歌も受け入れざるを得なかった。

西暦2046年、彼女はヒヨコに転生した。
そこは食肉用養鶏場で、鶏になった頃にある事件が起きた。
鳥インフルエンザが蔓延していたのである。
安全を確保するため、そこで飼われていた全ての鶏が殺処分された。
彼女の転生したヒヨコから育った鶏もその対象となり、彼女の魂は再び天へ上った。

こうして、天界と地上界の行き来を繰り返すも彼女は人間に転生できず、天界から地上界に降りるも他の生き物にばかり転生した。
それを繰り返す間にも年月はどんどん流れて行く。
それは、あの歌が忘れられていくということでもあったが、既に記憶を消されている彼女にはそんなことを考えることすら不可能だった。

そして、西暦4012年12月21日の事だった。
地球の文明は進化と創造の頂点へと登り詰めていた。
そんな時、宇宙から大量の隕石群が地球目がけて落下した。
地球の軍は、あらゆる兵器を使って隕石の破壊を試みるが飛来する隕石の数は地球軍の兵器規模全てを投入したにもかかわらずそれを圧倒するほどのもので、抵抗空しく地球に落下した隕石の大群は地球に存在するありとあらゆる文明を破壊した。
人類もほぼ大半がこれにより死滅した。
それは、人間の奢りに対する神々の怒りか、それとも無益な争いを続ける人間への審判なのか、それならば人類の数を激減させれば対立軸の数は必然的に激減し、無益な争いがそれで無くなるのならばそれはそれで合点はいく。

隕石群の落下が収まり、瓦礫と化した地上に平穏が戻った頃、
地球上にはごく僅かな人間が残っていたが、彼らにはもはやあれだけの創造の頂点ともいえる文明を復興させるだけの力はもはや残ってはいなかった。
彼らに出来たのは、必要最低限の簡単な家屋の建造と食料供給の術くらいだった。
その生活様式は原始時代に酷似していた。
やがて、文明の消滅によりそれに支えられた文化もその大半が消滅していった。
地上は、コンクリートから平原へとその姿を戻していった。

そして、文明が復興することなく時は流れ、遥か未来のこと。
かつて流歌という女性として生きていた魂が地上界に舞い降りた。
転生したのは人間だった。
時の神は転生する彼女にこう告げた。
現在の地上界は、西暦321987年1月30日であると。
彼女は家屋で家族とともに普段の生活を送り続けた。
そして、そんな彼女が20歳になった時のこと。

地上は美しい草原に満ちていた。
そして随所では花も咲いていた。
そんな草原を彼女は一人彷徨っていた。
そんな時、何処からか不思議な声が聞こえてきた。
それに導かれるように彼女の足は歩みを進める。
そこには一人の少女がいた。
少女は歌を歌っていた。
その歌を聴いていた草原を彷徨う彼女はその歌にとてもどこか懐かしい思い出を感じていた。
生まれる以前の記憶だろうか、天界の掟で消されたはずの記憶なんてあるはずがない。
全ては時の神の仕業だったようだ。
時の神は、あの時の記憶をさりげなく彼女に挿入し、こう伝えた。
「あの少女が歌っているのは、32万年前にお前が我々神々に懇願して守ろうとしたあの歌なのだ。」
奇跡だった、文明が無くなったことで文化も消滅しているはずでそれは音楽や歌も例外ではない。
しかし、歌は楽器が無くとも声を出せばできる、そしてこの歌はひそかに歌い継がれていた。
あの隕石が地球の文明を破壊した時、生き残った人々はその歌を過去から歌い継いでいた。
その思いが僅かな人類によって歌い継がれてきたという。

彼女の目から一滴の涙が零れ落ちた。
彼女は32万年の時を超えてあの歌との再会を果たしたのだ。


その歌とその歌を愛した女性、たったそれだけの物語がここまで壮大なスケールなった中で出てきた出来事も、それなりに理由があった。
まず、人間は一度生まれたら次も人間に生まれるという保証はないということだ。
増して、無数の中のごくわずかな勝者になることで生まれることができる。
人間に生まれることは容易なことではない。
そして、その人間は他の様々な生き物を犠牲にして生きている。

そんな中で、最近狂牛病や鳥、豚インフルエンザという疫病が蔓延することが増えてきた。
報道でも、この事件を扱う繁度が増えてきた。
それに伴って、「殺処分」というフレーズを聴くことも全然珍しくなかった。
その報道を押し付けられるように聴かされるのが余りにも辛かった。
そして、それをなんの抵抗も無くペラペラと喋りまくる周囲の人間には嫌悪感を覚えた。
家畜の疫病のエピソードをこの曲のストーリー上に導入しようと考えた動機はそれに対する一種のアンチテーゼだった。
同時に、未来のエピソードに「人工肉の精製技術の実用化」という記事を入れてある。
昔呼んでいた「ドラえもん」に犬や猫だけが住む世界というエピソードがあり、そこで「無料ハンバーガー製造機」という道具が出てきた。
その時に思いついた。人工肉の精製技術がこのような形で実用化されれば肉を家畜を殺すことなく生産できると。
実際、人間の為に殺される家畜の立場に立った話を扱った作品も存在している。
一番分かりやすいのは、これだと思う。

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しかし、その昔の日本のアニメでもっと重苦しいものを見てトラウマになったことがある。
1969年に放映されたアニメ「ハクション大魔王」、私の地元では再放送もよくされていてそこで私も見たのだが、このアニメの第40話(第20回のBパート)「ごめんね仔ブタちゃんの話」にそれは出てきた。
カンちゃんのパパが貰ってきた仔ブタ、パパに育てるように言われたカンちゃんはしぶしぶその仔ブタを育てることになるが、仔ブタは餌を食べたがらない。
そして、その仔ブタの回想シーンがあった。
その仔ブタの母親ブタだった。
母ブタは別の養豚場へと連れて行かれるトラックの中から、仔ブタに「食べちゃいけないよ、太ったら殺されちゃうからね」と言い残した。
とてもギャグをウリにしていたマンガとは思えないほど重かった、重すぎた、多分こんなシナリオを書いた作者もそんな思いだったんじゃないかと思えた。
理不尽に生みの親を引き離されたらそれが辛いのは人間なら分かる。

こんなことここで言うなら、お前が人工肉精製技術を今から開発すればいいじゃないかって言われるかもしれない、まして私は人より多く肉を食べているし、こんなことを書くのは綺麗事におぼれた偽善者と揶揄されても仕方がないし身勝手だ、自分にはそんなことを語る資格が無いのは分かっている。
でも、敢えて語らせてもらった、そして曲の中のエピソードに挿入させてもらったのだ。

そして、こうして様々な生き物に転生しては短い命に終わり、時間だけが過ぎて西暦4012年となった時。
この4012年は、ローランド・エメリッヒ監督の映画「2012」から来ている。実際、12月21日という日付まで表示しているから多分容易に推測できるだろう。
実際、2012年12月21日に崩壊が始まるという話を聞くが、1999年に世界が滅亡すると言われた「ノストラダムスの大予言」程度のものだろう。でも甘く見てたらやばかったりもする。

そして、4012年に世界は滅び、ほんの僅かな人間を残して人類も文明とともにまた滅んだ。
先ほども言ったように、このエピソードが映画「タイムマシン」の影響があったのは事実、しかし進化と創造の果ての人間の行いが超えてはならぬ一線を越えて自滅を招くという未来の可能性を否定することはどうも出来そうにない。
その先の残った人々の生活は人間の生活の原点へと回帰することになる。
そこには、機械なんてものはもうない。
文明も滅んだ、食料供給も自分の手でやらねばならない、勿論人工肉精製技術もなくなり自分で狩りをしたりして獲物を捕り、食料を確保しなければならない。

ここから先は何も語る必要はない、ただ進化や復興という考えは人々の中にはもうない。

そして、ここでルカが人間に生まれるという設定になっている。
そして、作中に度々出てくる大きな7セグフォントの日時表示は作品の根幹に直結する根拠に基づいている。
ラストシーンとなったのは西暦322008年1月13日となっている。
そして、そこで歌っている少女がミクである。
ルカは20歳(厳密にいえばあと少しで21歳)、最初のルカが事故に巻き込まれた時、ルカが22歳なのは、巡音ルカの発売日が2009年1月30日で、その時20歳という設定に基づいているためである。
ちなみに、本楽曲も本音は巡音ルカ聖誕祭に間に合わせたかったが、どうも複雑な関係で間に合いそうもなく断念した。そのため、巡音ルカの前作である「あなたを抱き締める私でいたい」のプロシェクトDIVA版PVを代わりに投稿した形だ。
そして、本楽曲PVの最後で32万年前に神々に懇願したとあるが、正確には31万9997年前と考えていい。
実際PVのスタート日時は投稿した日となる2011年3月5日となっている。
このあたりだけはかなりリアリティを持たせたいと思っていた。
ここまですれば、この曲がリスペクト&オマージュしている曲(歌)のことを間接的に自白しているようなものだろう。

最後に、これだけ多くの要素を含んでいるとはいえ今作はアップテンポ型の曲、それゆえに早口を要求するようなノリにはなったが一つのやるべきことの区切りにもなったと思っている。
1年半もルカ曲をやらなかっただけに今作はそういった意味でも大きい意味を持っていると思う。


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tags : ルカ それでも町は廻っている タイムマシン 2012 天界  輪廻 転生 

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プロフィール

夢永美朱

Author:夢永美朱
趣味は映画・音楽鑑賞(制作)とテレビゲームです。
ニコニコ動画で「夜色P」というP名を命名して頂きました。
宜しくです。

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http://twitter.com/miakayumenaga

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